夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

230809

 ひどく苦しい晩であった。熱はとうに下がったのに、咳だけがゴホゴホといつまでも止まらない。一度始まると、吐きそうになるまで咳き込み続け、そばに置いてあるお茶を無理やり流し込んで止めるほかはないのである。

 ただ、私には、なぜ自分が咳をしなければならないのか、明確に分かっている。それは口で説明するのは難しいけれど、一度これを目にしてしまえば、はっきり分かる。まさしく一目瞭然なのである。

 私は同居する家族に、夜中にうるさく咳をするべき理由として、これを説明する必要があると感じている。だが、一目見せれば伝えられるそれは、私が目を開けると、途端に消えてしまうのだ。目を閉じるとすぐにくっきり姿を表すのに。

 写真撮っておくことも考えたが、カメラを持とうと目を開ければ、それが消えてしまい、それを見ようと目を閉じると、カメラを動かすことができない。仕方がないので詳細に言葉に綴ろうと思って目をつぶっているうちに、いつのまにか朝になっていた。咳も止まっていた。

 こうして昨晩のことを綴っている今は、何が咳をすべき理由だったのか、忘れてしまった。だが、昨晩の私にとって、間違いなくしっくりくる理由であったことは確かである。タイの王朝が関係していたことも確かである。