夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210911 - 1

 近所にナポリタンの美味しいレストランができたので行ってみた。暖色系の照明や赤いクッションの椅子など、昭和のレトロな喫茶店のような店内で、期待以上のおしゃれな雰囲気に心が躍る。スタッフが私を一人客だと確認すると、奥の2人掛けの席に案内された。すると私がまだ座らないうちに、向かいの相席にもう一人の客が案内された。オープンしたてでたくさんのお客さんを入れたいからか、随分詰めて案内するのだなと思った。しかし改めて周りを見れば、店内に立てられている細長い塀2つに、テーブルが洗面台のように取り付けられているような構造になっていて、壁に向かって座る形の1人用の席がほとんどである。ここのテーブルは端っこの、塀からはみ出した部分にあるため、たまたま2人席になっているようだった。

 このレストランが変わっているのは、その店内構造だけにとどまらないようだ。まずここはナポリタンのお店なので、入店した時点でナポリタンは自動注文になっているらしい。各テーブルの横に取り付けられているオレンジジュースのサーバーは自由に使用できるが、どのサーバーもいつでも使用できるというわけではないようだ。店内のサーバーを片っ端から見ていき、何度か試行錯誤を繰り返して、ようやく仕組みを把握した。サーバー上部の表示が赤地に白で「YES」となっている時は使用でき、青地に白で「NO」となっている時は、バーをひねっても何も出てこない。さらに各サーバーによって熱いのと冷たいののどちらが出てくるか決まっているので、注ぐ前に確認が必要なのである。

 冷たいオレンジジュースを注ぎ終わって席に戻ると、相席の客が案の定、「NO」と表示されたサーバーの前で首をかしげていた。まだ仕組みを理解していないようなので、たった今会得した知識を披露して助けてあげようとしたが、客はコップを持ってキッチンの方へ行き、大声でスタッフに水を頼んだ。水を店員に頼めば出してくれる、という他の多くのレストランでは常識と思われることも、ここでは通用しないのだと思い込んでいたので、それを見てはっとさせられた。