夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

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 私は、他の身寄りのない者たちと比べれば、かなり恵まれたほうだったのだろうか。鞄の中で膝を抱え、海に放り出されるのを待っていた。もう終わりだと思っていた。だが一隻の船舶が桟橋に近づいてきたとき、再び生きる気力が湧いてきた。前向きになりさえすればあとは簡単で、積み荷を作る人の視点から、自分の入っている鞄を船に放り込み、その後はパンチパーマの乗客の視点から、鞄が人の目に触れないように監視していた。

 若い女が鞄に近づいてきてジッパーを開けるので、慌てて絵の具セットに擬態してその場を凌いだりなんかしていると、船が次の港に着いた。パンチパーマの乗客は、私の入っている鞄を持ち、ホテルへ入った。鞄から出てようやく自由の身になった私は、同じように潜伏していた仲間たちと共に、ホテルの高級レストランで食事をとることにした。

 料理が運ばれてきてから席を移動することになり、私は縁ギリギリまで油が入った小さな器を持ってのテーブル席に座った。器を置こうとすると、テーブルがふかふかのソファのような生地でできているので、どうしても油がこぼれてしまいそうになる。コースターを先に置かなければならない。後ろの仲間が持ってきてくれているはずだが、モタモタしていてなかなか置いてくれない。私は器を手に持ったまま、どうすることもできずに固まっている。

 食事を再開しようとテーブルをよく見ると、紙のランチョンマットに、自分が書いた夢日記がプリントされていた。はてなブログの記事の特集なのか、夢日記の特集なのかはわからない。一部プリントミスがあったらしく、店員さんが手書きで書き足してくれているのを見て、単純作業の一環とはいえ、自分の夢日記が読まれているという事実を確認し、嬉しくなる。

 ホテルを出た後は、友人の家に居候させてもらうことにした。友人が不在の間も家にいて良いとのことだった。ひたすらに眠かったので、友人が帰るまで仮眠をとることにした。彼女の家には3つもベッドがあり、だいたい9時間で帰ってくるから、それぞれ3時間ずつ眠れる、などと計算しながら外着のままベッドに潜り込んだ。