夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210911 - 2

 我々は列になって森の中を歩いている。私は先頭に立ち、後ろに何人か続いている。私の背後を歩いている背の高い人は、私の主であり、私はその従者である。主は地面までつくほど長い服を身にまとい、これまた長い金髪を束ねずにさらりとなびかせて歩いている。

 我々は湖のほとりに出た。ほとりには様々な動物たちがたむろしている。正確には様々な動物たちではなく、様々な動物の衣装を着た人びとである。ちなみに私は黒蝶の衣装を着て、黒蝶として振舞っている。

 湖にたむろしている動物たちはみな、何かに憤っている。何に不満があるのか、彼らの様子からは読み取ることができない。だが、彼らの敵意が森の中から現れた我々一行に向けられていることは、確かであった。

 主は私の耳元でささやいた。

「手を8回叩け。」

 私は言われるがままに8回手を叩いた。正確には手ではなく、いや、正確には手なのだが、設定上は翅と思われる黒いひらひらを8回重ね合わせるようにして叩いた。手拍子のようにはしっかりと音が出ないのだが、これで大丈夫だろうか、と心配になっていると、突然雨が降り始めた。

 金髪の主は、湖のほとりの動物たちに向かってこう言った。

「この雨によって、この世のすべての穢れ、哀しみ、苦しみは流され、世界は浄化された。ここからまた我々生物の暮らす良い世界を新しく築いていこう。」

 さっきまであれほど憤って騒がしかった動物たちは、水を打ったように静かになっている。みんな私が手拍子によって降らせた雨に濡れたことによって、不満や怒りを忘れてしまったのだろう。主やその後ろに続く人々は、これでよいのだ、という感じで帰ろうとしている。私は何だかしっくりこないのだが、主に異を唱えるなど到底考えられないことなので、これでよいのだ、という感じで先頭に立つ。

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