夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210729

 最近、自分がアルバイトをしていないことが気になっている。複数のことを同時にこなすのが苦手で、就活やら研究やら授業やらに追われてアルバイトをする気力も時間も残されていない、というのを言い訳にしていたら、もう1年以上アルバイトをしていないことに、最近ふと気がついたのだった。周りのみんなはいったいどうやってそんなに色々こなせるのだろうか。きっと時間も気力もなくても、家族に負担をかけないためにバイトを続けている人も多いのだろうと思う。そうなるとますます自分が情けなくなってくる。

 とりあえず髪を切りに行こうと思って美容院に行くと、待合室に研究室の同期と後輩がいた。3人で雑談をしていると、別の同期がお店にピザを配達しにやって来た。ダボダボで迷彩色のズボンをはき、髪はいつもよりちりぢりで、どことなく藤井風に似た風貌である。彼はピザの入った箱をいくつか投げるようにしてお店の玄関の床に置くと、バイクに乗って去って行った。横にいる2人は彼が同期であることに気づいておらず、「あの配達員の態度ヤバいね」などといって話している。私は(あんな雑な配達でも、アルバイトをしているわけだからな…)と人知れず落ち込んでいた。

 なんだかんだ髪を切らないまま美容院を出て、夜道を3人で歩いた。同期は私に、最近またカリキュラムが変わって、対面でリフォームの相談をするのが必須になったことを教えてくれた。授業にリフォーム会社の勧誘活動を織り込んでくるとはどういうことだよ、とツッコミを入れようとしたところで、私の部屋の前に着いた。

(そういえばなんで2人はここまでついてきているんだ?え?まさかこのまま私の部屋にあがるつもりなのか?)

 別に友達を部屋に入れるのが嫌なわけではない。ただ散らかっている自分の部屋を見られたくないだけなのだ。みんなが来ると分かっていたらちゃんと掃除しておいたのに…。「30分だけ待って!その間に掃除させて!」というと、何か悪いから帰ろうかな、という雰囲気になってしまった。まだ皆を部屋に招いたことがなかったので、ちょっとがっかりしながら鍵を開けようとして、はっと気づく。中の電気がついている。今朝、たしかに電気が消えていることを確認してから家を出たはずだ。ということは…

 もう歩き出していた2人のもとへ駆け寄り、中に誰かいるかもしれないことを伝えた。声が震えた。慌てすぎたため、廊下にリュックやら腕時計やらを放りっぱなしにしてしまっている。中にいる誰かに見つからないことを願いながらドアの前に戻って荷物を回収する。廊下の角に来たところで、顔だけ出して様子を伺っていると、中から教授が何人か出てきた。私は結局美容院で髪を切っておらず、長くおろした髪が壁からはみ出していたため、すぐにこちらの存在に気づかれてしまった。しかし何やら話を始めるだけで、追いかけてくる様子はない。先回りして玄関で確実に捕まえるつもりだろうが、そうはさせるか、と大急ぎで非常階段を駆け下りる。しかしすでに玄関には先生がいるようである。

 実はこのアパートの中には、暗証番号を入力してロックを解除できる装置がいくつか設置されている。しかしひとつだけ操作しても効果はなくて、全装置同時に入力しなければ解除できない仕組みになっている。とりあえずはひとつ試してみよう、とすぐそばにあった装置に向かう。暗証番号は装置に書かれているので、その通りに入力しようとするが、どうしても番号を押す過程でアラームボタンを押してしまいそうになる。

 私が悪戦苦闘している間に、同期と後輩は手際よく他のゼミ生に連絡を取り、他の装置にひとりずつつくように手配してくれた。準備が整ったところで改めてとりかかると、アラームボタンを押さなくとも問題なく入力できることがわかった。「A_A7925」と入力し、確定ボタンを押す。他の装置も全て入力できたようで、ひとまずはこれで安心である。

 地下へ向かい、みんなと合流する。ここを出たらとりあえずがむしゃらに走って、どこかでしばらく平穏に過ごそうと思う。そうなるとカリキュラム上、半年は戻ってこれなくなるから、同期と一緒にいられるのはこれが最後になることに気づき、寂しくなる。避難先の方々に受け入れてもらうにはお茶菓子が必要である。みんなにちょうどいいのを持っていないか聞いて回る。みんなからもらったお茶菓子をリュックに詰め込もうとすると、底の方から2Lの牛乳が2本出てきた。もう購入してからだいぶ時間が経っているので生ぬるくなっている。邪魔だから同期に持って帰ってもらえないか聞こうとするが、これほどお世話になっておいてそんなことを頼むのもいかがなものか…と考えなおす。