夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210901

 我が家は多額の借金を抱え、度々やってくる取り立て屋に怯えながら暮らしている。今日も彼らがやってくる気配がする。部屋中のカーテンを閉め切り、居留守を図ろうとするが、彼らの足音が聞こえてきたところで、玄関の鍵をかけるのを忘れていたことに気づく。慌てて玄関へ向かおうとしたが、今から鍵をかけに行ったら鉢合わせてしまうと、すんでのところで冷静さを取り戻し、物陰に隠れてやり過ごすことにした。

 彼らが玄関ドアを開ける音が聞こえた。足音がどんどん大きくなり、こちらに近づいてきているのが分かる。私たちは畳んだ布団の中や押し入れに隠れてじっと息をひそめる。とうとう私たちのいる部屋の扉が開けられ、彼らが入ってきた。いともあっさりと私たちは見つかり、

「もう売れるものは何も残っていないんです、もう少し待ってください。必ずお金を用意しますから。」

と懇願した。彼らが「まだあるはずだから探してみろ」というので、私は家族を代表して、お金になりそうなものが残されていないか調べることになった。

 庭を探索しに行くつもりで外に出たのに、反対方向へ向かうゴンドラに乗ってしまった。家に戻るゴンドラの本数は非常に少ないので、戻るにはかなり時間がかかりそうだ。このままでは夕飯の時間に間に合わない。ゴンドラを降りた後、大急ぎで係員にそのことを伝えると、それは大変だ!と大騒ぎになってしまい、上層部まで連絡がいった結果、急遽ダイヤ変更がされることになった。すぐに戻ることができそうだが、ゴンドラ運営組織の上層部は、我が家を監視している組織と密接なつながりがあるため、

(大変な迷惑をかけてしまった…。私のつまらないミスのせいで我が家は一巻の終わりだ…!)

と青ざめた。

 ちょうど運営組織の部長とすれ違ったので、「ありがとうございます!!」と深々と頭を下げたが、むっとした表情で素通りされてしまった。(これはかなりヤバいぞ…!)と焦っていると、課長と思しき人とすれ違ったので、本日二度目の「ありがとうございます!!」をすると、今度は手招きをされた。

 招かれるまま個室へ入り、課長と机を挟んで向かい合わせで座る。課長はスキンヘッドのおっちゃんで、ぱっと見こわい印象を与えるが、話してみると物腰柔らかな人柄であることが分かった。

ピン芸人として働くという選択肢もあるよ。」

と課長が言う。課長自ら、この仕事と並行して芸人としての活動もしているらしい。髪の薄い(というかほぼない)頭を売りにしているというので返答に窮したが、

「明るい印象を受けます!!」

などと言って株を上げようと必死になっていた。

「ちょうどこの後、ローカル番組でネタをやるはずだったグループが今さっき解散してしまったんだ。どうだい、彼らの代わりに出てみないかい?」

と聞かれ、最近就職が決まったばかりで少し迷いつつも、家族を危機から救うには受けるしかない!と思い切り、「Yes!」と返答した。

 プラットホームに移動し、B'zのultra soulのご当地替え歌を歌う準備をする。あと5分で番組が始まるが、まだ歌詞を覚えていないので急いで紙に書き、目の前の柱に貼り付ける。ふとスマホをみると、母から大量のラインがきている。「すぐ帰るよ!」ととりあえず送っておく。とうとう番組が始まった!私は歌には自信があり、

(圧倒的歌唱力で知名度を上げ、じゃんじゃん稼いで借金を返済するぞ!!)

と意気込んで歌い始めた。

 柱に貼った歌詞カードをガン見しながら歌うが、字が小さくてどこを歌っているのかすぐに見失ってしまう。一度もリハーサルをしていないので読めない漢字が出てくる。「八女」ってどう読むんだっけ…。知ってるはずなのにパッと出てこない…!思ってたよりキーが低い。全然声が出ない!!替え歌だからどこでフレーズを区切ればいいかよく分からない!!!もうめちゃくちゃだ…自信があったのに…大失敗だ…もう内定先には断りの連絡が入っているだろう。絶望だ…すべておしまいだ…