夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210731

 来るべき試験の練習として、ジェットコースターに乗っている。地面の先の方に誰かが倒れているのが見える。シートベルトがうまく機能していなかったのだろうか。自分の席は大丈夫か不安になる。彼らのところまで来た時、急にコースターが減速し、とうとう止まってしまった。なんだなんだと思っていると、座席がゆっくりと前後左右に回転を始めた。確かにこのゆっくりとしたスピードでは、遠心力も働かず、シートベルトの隙間から滑り落ちてしまうのも納得である。すでに何人かはコースターから地面に転がり落ちてしまっている。私はこの試験においてはかなり自信があった。風が吹いても空中の一点に留まり続けるクマバチのように、頭の位置を全く動かさずに体だけコースターと一緒にぐるぐる動かし、体幹をアピールする。

 我々は何度もジェットコースターに乗ることができるのだが、特に何か評価を受けられるわけでもないため、みんなだんだんつまらなくなって、一人また一人と参加者が減っていく。とうとう私ともう一人だけになってしまった。彼女ももう戻るというので、その子と一緒に私も帰ることにした。

 彼女は美大生で、個展を開く準備を並行して行っている。少しだけ中の様子を見せてくれるというので、お邪魔することにした。広々とした明るい部屋で、壁には巨大な画面がプロジェクターにより投影されており、常に無音のビデオが流れ続けている。天井一面からは様々な長さの糸が、床一面からは様々な長さのワイヤーが、無数に伸びており、それぞれの先端には色とりどりの紙切れがくっつけられている。そのうちの何枚かに目を通してみた。日付と共に、彼女の当時の気持ちや日々の出来事がごく短い言葉でつづられている。おおよそ他の人に読むことを想定されていないだろうというほどカジュアルな文体で、出来事を正確に理解するのに必要と思われる情報の大半が省略されている。これらの紙切れが何について言及しているのかさえ明記されていないが、どれも彼女の恋人について書かれているものであることは、ほんの数枚読んだだけで何となく理解できた。そして恋人との楽しい思い出を表現しようと制作に取り掛かったのに、最近はその人とあまりうまくいっていないため、これ以上個展の準備を続けることに迷いが生じていることも、何となくわかった。

 突然、部屋の入口に彼女の恋人が姿を現した。彼女に向って必死に話しかけているが、何と言っているのかわからない。彼女は突然のことに驚いた様子で、くるりと後ろを向くと、部屋の奥へと逃げていく。その後を追いかける恋人。部屋の真ん中あたり、ちょうど色とりどりの紙切れが集まっている場所で恋人が彼女に追いつき、2人は立ち止まった。彼女はゆっくりと恋人の方を向き直し、何か話している。ここ数日の間に生じたわだかまりについて話し合っているのか、もうそれは過去のこととして他愛のないおしゃべりをしているのか、よくわからないが、2人の間に気まずい空気は感じられない。この一連の流れも含めて彼女の作品なのではないかと思えてくる。

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