ナウシカと火の鳥を掛け合わせたような漫画を読んでいる。ブルーのインクが使われており、全体的に寒々しい印象を受ける。漫画の中では、男女が２つ横並びになったカプセルベッドに入り、就寝前のおしゃべりをしている。「肉体を持つものの宿命」という難しいテーマについて、重い雰囲気を醸し出しつつ語らっている。しかしよくよく読んでみると、話の内容は、よく食べて寝ることの重要性についてなど、誰もが日々思うようなところなのである。
私もその漫画の世界に入り込み、部屋の奥へ進んだ。彼らに見つからないよう気をつけながら、ホワイトボードに「影響」という字を書こうとするが、漢字を思い出せず、書いては消し、を繰り返した。彼らが先ほどまで読んでいたであろう英語のテキストが床に落ちている。拾い上げてめくってみると、論文の副査の先生が書かれた私の研究テーマに関する記事が、目次に載っているのを見つけた。（しまった、その文献はノーマークだ…！！）と慌てて目を通すが、そこで授業終了のチャイムが鳴った。
今日は授業参観だったらしい。今気づいた。母に連絡するのを忘れた。まだこれから始まる組体操の時間が残っている。今からでも遅くはない。最寄りの駅まで走る。鹿になった気分で走ることにより、いつもより速く走れている気がする。
