夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210805

 某国際的な祭典の真っ最中、現職の総理大臣が公的資金を私的利用していたというニュースが流れた。この問題に対する街頭インタビューがテレビで放映されており、私はそれを眺めていた。この問題をきっかけに、今までくすぶっていた国民の怒りは頂点に達し、どこからともなく「革命を起こそう!」という声が上がり始め、気がつけば国民全体が国家権力の転覆に向けて動き出しているようであった。

 革命の方法として国民が選んだのは、現在進行中の某国際的祭典を利用するというものであった。この祭典が終わるまでに署名を集め、閉会式で我々国民の意向を世界に表明することで国際的な支持を獲得しよう、という寸法であった。というわけで、最近は私も含め、参加者各々署名集めに奔走しているのである。初めはSNSで呼びかけを行っていたのだが、もっといい方法があるということで、私は仲間によって外に連れ出された。

 我々は京都駅の中を通ってどこかへ向かっている。ところどころ荒れていて治安が悪い様子である。例えば駅構内には巨大な牛バルーンが浮かんでいるのだが、銃を構えた人が1階からバルーンめがけて何発も発砲し、バルーンを撃ち落とそうとしている。牛バルーンはかなり頑丈な造りになっているらしく、どれだけ銃弾を撃ち込まれても、弾が分厚い皮を貫くことはなく、バルーンは跳ね上がって天井や壁にぶつかり、また跳ね返って、とあちこち暴れまわっている。

 階段を上ると、ガラス張りの壁の向こうに巨大な広告ポスターの掲示板が掲げられているのが見える。華やかな広告が全面に貼られている。掲示板の上に何人か乗っており、ポスターの上辺を叩き、手に持っている何かを流し込んでいる。すると華やかだったポスターが、真っ黒な背景に不気味な人の顔がでかでかと映っているモノクロ写真へと変貌した。どこか悲しげなその顔を呆然と眺めていると、横にいた母に「おまえもいずれこうなるよ」などと不吉な予言をされた。

 目的地に着き、我々はある部屋に通された。この部屋にはさまざまな仕掛けが施されており、それらを順番に解いていく必要があるらしい。脱出ゲームのような要領だろうか。早速取り掛かるが、何一つうまくいかない。手順を間違えるとどうなるのか、何も分からない。恐ろしくなるが、管理人はもう部屋を出ていってしまい、連絡を取ることはできないため、今さら止めることもできない。もうすぐ閉会式が始まる。時間がもうない。何もわからない。革命なんて全然無理そうだ。

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210731

 来るべき試験の練習として、ジェットコースターに乗っている。地面の先の方に誰かが倒れているのが見える。シートベルトがうまく機能していなかったのだろうか。自分の席は大丈夫か不安になる。彼らのところまで来た時、急にコースターが減速し、とうとう止まってしまった。なんだなんだと思っていると、座席がゆっくりと前後左右に回転を始めた。確かにこのゆっくりとしたスピードでは、遠心力も働かず、シートベルトの隙間から滑り落ちてしまうのも納得である。すでに何人かはコースターから地面に転がり落ちてしまっている。私はこの試験においてはかなり自信があった。風が吹いても空中の一点に留まり続けるクマバチのように、頭の位置を全く動かさずに体だけコースターと一緒にぐるぐる動かし、体幹をアピールする。

 我々は何度もジェットコースターに乗ることができるのだが、特に何か評価を受けられるわけでもないため、みんなだんだんつまらなくなって、一人また一人と参加者が減っていく。とうとう私ともう一人だけになってしまった。彼女ももう戻るというので、その子と一緒に私も帰ることにした。

 彼女は美大生で、個展を開く準備を並行して行っている。少しだけ中の様子を見せてくれるというので、お邪魔することにした。広々とした明るい部屋で、壁には巨大な画面がプロジェクターにより投影されており、常に無音のビデオが流れ続けている。天井一面からは様々な長さの糸が、床一面からは様々な長さのワイヤーが、無数に伸びており、それぞれの先端には色とりどりの紙切れがくっつけられている。そのうちの何枚かに目を通してみた。日付と共に、彼女の当時の気持ちや日々の出来事がごく短い言葉でつづられている。おおよそ他の人に読むことを想定されていないだろうというほどカジュアルな文体で、出来事を正確に理解するのに必要と思われる情報の大半が省略されている。これらの紙切れが何について言及しているのかさえ明記されていないが、どれも彼女の恋人について書かれているものであることは、ほんの数枚読んだだけで何となく理解できた。そして恋人との楽しい思い出を表現しようと制作に取り掛かったのに、最近はその人とあまりうまくいっていないため、これ以上個展の準備を続けることに迷いが生じていることも、何となくわかった。

 突然、部屋の入口に彼女の恋人が姿を現した。彼女に向って必死に話しかけているが、何と言っているのかわからない。彼女は突然のことに驚いた様子で、くるりと後ろを向くと、部屋の奥へと逃げていく。その後を追いかける恋人。部屋の真ん中あたり、ちょうど色とりどりの紙切れが集まっている場所で恋人が彼女に追いつき、2人は立ち止まった。彼女はゆっくりと恋人の方を向き直し、何か話している。ここ数日の間に生じたわだかまりについて話し合っているのか、もうそれは過去のこととして他愛のないおしゃべりをしているのか、よくわからないが、2人の間に気まずい空気は感じられない。この一連の流れも含めて彼女の作品なのではないかと思えてくる。

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210729

 最近、自分がアルバイトをしていないことが気になっている。複数のことを同時にこなすのが苦手で、就活やら研究やら授業やらに追われてアルバイトをする気力も時間も残されていない、というのを言い訳にしていたら、もう1年以上アルバイトをしていないことに、最近ふと気がついたのだった。周りのみんなはいったいどうやってそんなに色々こなせるのだろうか。きっと時間も気力もなくても、家族に負担をかけないためにバイトを続けている人も多いのだろうと思う。そうなるとますます自分が情けなくなってくる。

 とりあえず髪を切りに行こうと思って美容院に行くと、待合室に研究室の同期と後輩がいた。3人で雑談をしていると、別の同期がお店にピザを配達しにやって来た。ダボダボで迷彩色のズボンをはき、髪はいつもよりちりぢりで、どことなく藤井風に似た風貌である。彼はピザの入った箱をいくつか投げるようにしてお店の玄関の床に置くと、バイクに乗って去って行った。横にいる2人は彼が同期であることに気づいておらず、「あの配達員の態度ヤバいね」などといって話している。私は(あんな雑な配達でも、アルバイトをしているわけだからな…)と人知れず落ち込んでいた。

 なんだかんだ髪を切らないまま美容院を出て、夜道を3人で歩いた。同期は私に、最近またカリキュラムが変わって、対面でリフォームの相談をするのが必須になったことを教えてくれた。授業にリフォーム会社の勧誘活動を織り込んでくるとはどういうことだよ、とツッコミを入れようとしたところで、私の部屋の前に着いた。

(そういえばなんで2人はここまでついてきているんだ?え?まさかこのまま私の部屋にあがるつもりなのか?)

 別に友達を部屋に入れるのが嫌なわけではない。ただ散らかっている自分の部屋を見られたくないだけなのだ。みんなが来ると分かっていたらちゃんと掃除しておいたのに…。「30分だけ待って!その間に掃除させて!」というと、何か悪いから帰ろうかな、という雰囲気になってしまった。まだ皆を部屋に招いたことがなかったので、ちょっとがっかりしながら鍵を開けようとして、はっと気づく。中の電気がついている。今朝、たしかに電気が消えていることを確認してから家を出たはずだ。ということは…

 もう歩き出していた2人のもとへ駆け寄り、中に誰かいるかもしれないことを伝えた。声が震えた。慌てすぎたため、廊下にリュックやら腕時計やらを放りっぱなしにしてしまっている。中にいる誰かに見つからないことを願いながらドアの前に戻って荷物を回収する。廊下の角に来たところで、顔だけ出して様子を伺っていると、中から教授が何人か出てきた。私は結局美容院で髪を切っておらず、長くおろした髪が壁からはみ出していたため、すぐにこちらの存在に気づかれてしまった。しかし何やら話を始めるだけで、追いかけてくる様子はない。先回りして玄関で確実に捕まえるつもりだろうが、そうはさせるか、と大急ぎで非常階段を駆け下りる。しかしすでに玄関には先生がいるようである。

 実はこのアパートの中には、暗証番号を入力してロックを解除できる装置がいくつか設置されている。しかしひとつだけ操作しても効果はなくて、全装置同時に入力しなければ解除できない仕組みになっている。とりあえずはひとつ試してみよう、とすぐそばにあった装置に向かう。暗証番号は装置に書かれているので、その通りに入力しようとするが、どうしても番号を押す過程でアラームボタンを押してしまいそうになる。

 私が悪戦苦闘している間に、同期と後輩は手際よく他のゼミ生に連絡を取り、他の装置にひとりずつつくように手配してくれた。準備が整ったところで改めてとりかかると、アラームボタンを押さなくとも問題なく入力できることがわかった。「A_A7925」と入力し、確定ボタンを押す。他の装置も全て入力できたようで、ひとまずはこれで安心である。

 地下へ向かい、みんなと合流する。ここを出たらとりあえずがむしゃらに走って、どこかでしばらく平穏に過ごそうと思う。そうなるとカリキュラム上、半年は戻ってこれなくなるから、同期と一緒にいられるのはこれが最後になることに気づき、寂しくなる。避難先の方々に受け入れてもらうにはお茶菓子が必要である。みんなにちょうどいいのを持っていないか聞いて回る。みんなからもらったお茶菓子をリュックに詰め込もうとすると、底の方から2Lの牛乳が2本出てきた。もう購入してからだいぶ時間が経っているので生ぬるくなっている。邪魔だから同期に持って帰ってもらえないか聞こうとするが、これほどお世話になっておいてそんなことを頼むのもいかがなものか…と考えなおす。

210724

 塾に向かう途中、Sを見つけた。声をかけて一緒に歩く。最近は暑いだのなんだの、たわいもないことではあるが、久しぶりにSと話ができて心が弾む。私はSの一つ上の階の教室で授業を受けることになっている。せっかく会えたのにもうすぐ授業が始まってしまうのを残念に思う。教室に入ろうとするSの半袖を掴んで引き止め、次の休憩時間に一緒におしゃべりしよう、と言う。Sはやや驚いた風であったが、わかった、と承諾してくれた。

 自分の席からは隣の棟の廊下が見える。廊下に設置されている手洗い場の蛇口から水があふれだしており、洪水状態になっている。今日は良く晴れた日で、数センチの高さに溜まった水が、光を反射してキラキラ輝いている。その美しさにしばらく見とれていたが、不意に、これはSを誘うチャンスだ!と思い立ち、Sと共に現場に向かった。

 着いてみると、さっきまであふれかえっていた水はどこかへ行ってしまっており、差し込んでいたはずの光も消え、暗い部屋に2人で立っていた。床にひとつ、四角い穴が開いている。近づいてみると、床にはめ込まれた印刷機とシュレッダーであった。吐き出し口から、次々と見覚えのあるプリントが出てくる。なんと最近私がゼミで発表したばかりのスライド資料である。大きな失敗はなかったものの、うまくいった発表ともいえなかったため、途方もなく恥ずかしくなり、ごにょごにょ言い訳しながら出てきた資料を全て下に落としてシュレッダーにかけた。

 いつの間にか周りに他の友人が集まってきていた。そのうちのひとりはこの前の模試で、私の受験番号を間違えて記入してしまった話をしている。

「思ったより良くない結果だったから何かと思ったら、どうりで…」

などと言っている。しょぼくれていると、周りのみんなが慰めてくれた。

 みんなで帰ることになった。Sとふたりで帰りたかったので少し残念であった。Sも含め、みんな先に歩きだしてしまう。私は慌てて駐輪場ヘ行き、チャリに乗って皆を追いかける。なんとかしてこっちに気づいてもらおうと、以前チャリの乗り方を道行く人に褒められた話を大声で叫ぶ。

210723

 私設図書館にやってきた。木造のカフェのようなつくりになっており、有料のゾーンと無料のゾーンがある。しかしその違いを見分けるのは非常に困難なのである。ほら今日も、私が無料だと思って席に座ると、そこは有料ですよ、と後から言われるのだ。本当に無料のゾーンなどあるのだろうか。常連客しか知らない定食屋の裏メニューのような存在なのだろうか。

 ともあれ、私は集中して作業するためにここへやってきたのだ。お金を払わなくちゃならなくなったぐらいで出ていくつもりはない。長机に白無地の布を広げ、クレヨンで色をつけていく。青いワンピースをつくるという課題だが、青単色で塗りつぶすのではなく、ところどころ黄色や赤なども織り交ぜながら色彩豊かな仕上がりを目指す。なかなかいい感じになってきた。

 そこへ友人がやってきて、自分の課題もやってくれないか、と頼まれる。私はまんざらでもない気持ちでそれを引き受ける。頬は赤、脚の縁は緑を基調に、やはりいろんな色を混ぜながら描き上げていく。

 今度は祖母がやってきた。とうとう来たか。そう、実はこの課題のワンピース、祖母に着てもらうために作っていたのである。ちょうど出来上がったやつを祖母に手渡す。着替え終わって出てきた祖母を見て、自分ながらに満足する。祖母はなぜかワンピースの上にジージャンを着ているが、ジージャンも青系統なので、統一性があっていいと思う。しかし、ワンピースの裾の内側につけたボタンホール用の布を濃い青にしたところだけは、どうも祖母のお気に召さなかったようで、どうしてこんな色にしたの、としばらく問い詰められてしまった。

 課題が終わったので会計を済ませ、外に出る。歩きながらついついTwitterを眺めてしまう。いつもは公開している友人のアカウントに鍵がかけられているので、何だと思ってみてみると、どうやら彼女は漫画家になり、石川雅之のあとを継いで『もやしもん』の続きを描くことになったらしい。彼女なら、みんなの期待を上回る斬新なスタイルで連載を続けていってくれるだろう、と思う。

210719

 浜辺に立って水平線を眺めている。もうすぐ夜が明ける。ふと、虹が見たいな、と思うと、まだ暗い左側の空に虹が現れた。しかしその虹は一般的にいう虹ではなく、布団カバーの模様(ヘ音記号とかタツノオトシゴみたいなうねうねしたやつ)を渦巻き状に配置した小ぶりの円形の像であった。色もモノトーンの灰色で、虹というにはあまりに程遠い。

 期待通りに虹が現れた!という喜びから一転、私はがっかりして、海水を空にまき上げて自ら虹をつくり出そうと奮闘した。その甲斐あってか、もう明るくなりつつある右の空に小さい虹が現れた。今度は7色のちゃんとした虹である。しかしすぐに消えてしまった。

 小さかったけど、一応虹は見られたし、そろそろ帰ろうかな、と振り向くと、草原の向こうに巨大な虹が広がっていた。かなり斜めっているし、色も3色ほどでかなりシンプルなのだが、期待を遥かに上回るその大きさに私は大満足であった。

 家に帰ると、家族はまだ寝ていた。ドアを開けたときに間違えてラジオをつけてしまったらしく、男の人のごにょごにょしゃべる声が暗い部屋に響いている。早く止めなければ、と壁にあるスイッチを上から順にカチカチ押していくと、一番下のスイッチを押したところで男の人の声は止んだ。

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210708

 巨大なスクランブル交差点をみんなと一緒に歩いている。先ほどからやたらと知り合いの姿を見かける。反対側から初老の紳士がやってきた。彼もまた私の知り合いであった。彼はこちらに気づいて近寄ってきて、私たちがどこへ向かっているのか聞いてきた。「どこでしょう、わかりません。」と答えると、彼は私の胸元を一瞥し、

「君はまだそんなネクタイをしているのか、もっといいものを買いに行こう。」

と言った。

 紳士のきっちりとしたスーツの着こなしや、眼鏡のよく手入れされている感じから、知らない人から見ても、彼が身の回りの物を丁寧に扱っていることはすぐにわかるだろう。懐中時計とか持ってそうな、いかにもきちんとしている感じを漂わせている。私のように適当にしているのは見ていられないのだろう。それにしても、随分としつこくネクタイを買うことを勧めてくる。私は、

「ネクタイいらないです。」「そんないいネクタイ買えないです。」

と初めは何度も拒否していたが、あんまり紳士がしつこいので、強引に交差点を渡ろうと歩みを進めた。

 すると紳士は、ネクタイに気をつかうことの重要性を説きながら私について来た。みんなとはとっくにはぐれてしまい、いつの間にか紳士は私の前に出て、無理やりネクタイ屋に連れていこうとしてくる。私は昼休憩がもうすぐ終わってしまうので戻らなければと焦るが、結局紳士の圧に負けて後をついていくことになった。こんなに強引に勧めてくるのだから、きっとネクタイ代を出してくれるに違いない、という期待もあった。

 我々は目的地に到着した。店の中には、ごく普通のネクタイからピンクやグレーといった色とりどりのもの、毛糸の生地や裏起毛生地のものなど、さまざまなネクタイが吊るされている。今はこんなにいろんなタイプのネクタイが流行っているのか、と感心する。紳士はエスカレーターを使って上の階に昇るので、私も後をつける。

 そして気づく。ここはどうやらネクタイ屋ではなく百均らしい。さきほどまであんなにネクタイの話をしていたのに、我々は今や湯呑みコーナーを物色している。基本的にはみんな税抜き100円だが、どれもデザインがいまいちである。桜と富士山のイラストがパステルカラーで描かれたものが目に留まり、値段をみると税抜き300円である。

(やっぱりかわいいやつは高いんだな…300円のやつがいいけどお金出してもらうのに高いやつを選ぶのは避けるべきかな…でも他に気に入ったものもないし…)

と悩んでいると、下から母の声が聞こえてきた。

(やっぱり遅れること連絡しなきゃいけなかったんだ、怒られる…!)

と焦る。

 母は下に降りていった紳士に、私がどこにいるか尋ねた。紳士は私がここにいることを告げた。この紳士は、どうやら私の父であるらしかった。なぜ今まで気づかなかったのだろう。母は「ああそこにいるのね」といった感じで、てっきり怒られると思っていた私は拍子抜けしてしまった。階段を数段降りると、向かいの踊り場のテーブルで、こちらを見ながら誰かとおしゃべりをしている母の姿が見えた。