夜、リビングでくつろいでいると、電話がワンコールだけ鳴ってすぐに切れた。FAXが1枚届いていた。
「てさ ひろし」
という文字の下に090から始まる電話番号が書かれている。
すぐにまた電話がワンコールだけ鳴り、FAXが1枚送られてきた。先ほどと似たような紙だが、文字が「のびま はるこ」に変わっており、その下の電話番号も先ほどとは違うものである。
その後、何度も続けてワンコールだけ鳴った後、FAXが送られてくる。10枚ほど溜まったFAXを並べてみる。全て、A4の紙に余白を持て余して、ひらがなの文字列と電話番号が書かれている。ひらがなで書かれているのは誰かの氏名なのだろうが、名前はよくあるものなの対し、苗字のほうはどれも実在しそうでしなそうなものばかりである。