夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

221109

 大学の建物の壁に、私と親友の横顔のイラストが、ローマ字の名前とともに、でかでかと描かれているのを見つけ、ようやく自分も注目される日が来た、と嬉しく思った。そういうマークがつけられた建物では、夜な夜な学生たちがパーティを開くのがお決まりである。毎晩、我々は守衛さんに見つからないスキルを磨き続ける。今宵も深夜の隠れんぼが始まる。

 夜中の割には随分と明るい階段の踊り場で、守衛さんと鉢合わせそうになった私は、手すりが何重にも重なり合い、カーテンのようになっているスペースの後ろ側に滑り込んだ。守衛さんは私の前で立ち止まり、身を屈めてこちらに顔を向けた。手すりの隙間から私の顔が真正面に見えるはずなのに、なぜか目が合わない。相手は目が疲れているので、私を見つけられないのだ、とこちらが思い込むことで、事なきを得ようとしていると、守衛さんは倒れてしまった。

 改めて建物内を歩き回ると、工事期間中らしく、高3なのにダンボールが積まれた壁のない教室なんかがあったりする。こんな環境では受験勉強に身が入らないだろう、と思う。トイレに入ったが、どこにも仕切りがない。

 仕切りがあるトイレを探し、駅を徘徊する。見つからないままカーテンコールの時間が始まる。カーテン上がり始めてから気がついたが、どこからどこまでが舞台なのだろう、私はどうして自分が今舞台に立っていると思うのだろう、何も分からない。

 裏手にいくつかトイレがあるが、皆汚そうなので、最後の駅ビルへと続くスロープを登る。途中、ベビーカーを押して歩く人たちとすれ違った。彼らは、こどもだけど大人、大人だけどこども、という理由で差別を受けている人たちである。私は彼らのように、周りからそうとは悟られないものの、実は自分も同じなのである。何事もなく通り過ぎようとしたそのとき、私が同じ性質の者だと察知したのか、彼らに腕を掴まれた。なにやら話しかけられたが、突然のことで驚き、聞き逃してしまった。

 取り巻く人々の中に、ガタイのいい人たちががいて、引きずられ、脅され、動画を撮って配信される。恐ろしさに身が固まる。我々には何をしてもいいと思われているらしい。周りに誰ひとり味方はいない。