夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210702

 薄暗いブース式の自習室に着いた。いつもの窓際の席へ向かう。どうも一番端でないと気が散ってしまう。電車とかでもそうだ。端っこを好みがちなのは私に限った話ではないだろうから、もう誰かにとられてしまっているかもしれないけど。

 窓際の席には誰もいなかった。参考書とノートを取り出し、さあ集中して勉強するぞ、と意気込むも、誰かの軽快な話し声に気を取られてしまった。よくよく耳を澄ませると、目の前の仕切りの向こうから、ジャルジャルがコントをしている声が聞こえてくる。誰かが動画でも見ているのだろうか、お笑いを見て一息つくのは結構なことだが、ぜひイヤホンをつけて再生してほしいものだ、と思っていたのだが、仕切りの向こうの気配から察するに、当の本人たちがコントの練習をしているようにも思える。その推測はほどなくして確信に変わり、私は生のジャルジャルを一目見ようと、仕切りについている小さな小窓に顔を貼りつけた。

 小窓はプラスチックでできており、かなり年季が入っているせいか傷だらけで、向こうの様子はよく見えない。姿勢を維持するのがつらくなってきたので窓からいったん顔を離すと、いつの間にこちらへ近づいてきたのだろうか、福徳が仕切りの縁を両手でつかみ、上から顔を半分だけのぞかせて、じっとこちらを見ていた。先ほどまで聞こえていた話し声はいつのまにか止んでいた。仕切りから覗く両目には力が入っており、口元が仕切りに隠れて見えないため、笑っているのか怒っているのか判別がつかない。こちらを見てはいるのだが、私とは一切目が合わない。一言も発さず、ただずっと一点を凝視している。私は委縮してしまい、その精神状態が身体にも反映されて、体が小さくなってしまったようだった。しばらく呆気にとられて上を見上げる形で、自分の10倍ほどもある福徳の顔の上半分を眺めていた。

 いつの間にか後藤が仰向けになって机の上に乗っかっていた。いきなり死んだ魚の真似を始める後藤。うっすらと笑みを浮かべているが、やはり私とは目が合わない。上空の一点を見つめながら、「ハエがぶんぶんぶんぶん~~」と、ぶつぶつ繰り返している。妙に顔がテカテカしている。私はどんどん怖くなってきて、「もういいよ」「十分だよ」と何度も言うのだが、一向にやめてくれそうにない。