夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210626 - 2

 給食の時間である。最近まで、みんな前を向いて黙食の形態をとっていたが、パーテーションが導入されたことにより、以前のように机をくっつけて食事をとることができるようになった。久しぶりに会話をしながら食べられることが嬉しくて、ついつい話が弾む。気がつけばどんどん周りの人は食べ終わり始めた模様である。私と一緒におしゃべりしていた子もほとんど食べ終わっている。自分の皿に視線を落とすと、ミートパスタがほとんど手を付けられずにのっかっている。

 ついこの間、他のクラスの先生から説教を受けたことを思い出す。彼女は突然教室にやってきて、全然食べ終わっていない私を廊下に連れ出し、ワゴンに載っているアルマイトのバットを一つひとつ開けさせて、自分の担当するクラスの生徒がいかに残さずきちんと食べているか、私に力説したのであった。その時私は、

(私は食道が細いからよく噛まないと飲みこめなくて、それで遅くなっているのであって、好き嫌いが激しい生徒のように扱われるいわれはない)

と内心腹を立てていたのだが、さすがに今回は自分が悪いと分かっているので、意識を切り替えて食べることに集中し始めた。

 同じ班の男子もひとり遅れているらしいが、

「今から食べ終わっても給食センターのアンケート集計には反映されないからもう意味ないよ。」

などと言って諦めてしまった。確かにもうアンケートは終わってしまったが、私はパスタが美味いのでここでやめるのはもったいない、と食べ続けた。

 ようやく食べ終わり、食器を前に持って行った。

「ごちそうさまでした。美味しかったです。」

と係の人に言うが、声が小さくて聞こえていないようだった。勝手に恥ずかしくなった。

 席に戻る途中、他の人の机の上に、デザートだったみかんの皮がのっかっているのを見つけた。前に持っていき忘れたのかな、代わりに捨ててあげようかな、と手を伸ばすが、その皮がきれいな正方形に切り取られていることに気がついた。その人はみかんの皮をいろんな形で切り取って集めているのだ。あやうく大事なコレクションを捨ててしまうところだった。(その気持ち、よくわかるよ)と思いながら席に戻った。