夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210604

 研究室の同期と彼女の妹さんと私がソファに座っている。同期は立ち上がって黒板の方へ行き、所属コミュニティのイベント告知を書き始めた。彼女は恐るべきスピードでチョークを走らせる。ネパール語のため、何と書いてあるかは分からないが、文字の形を知らない私でも、それらの字が普通の人が書くよりも遥かに美しいことは一目で分かった。特に「ノ」の形が総じて綺麗である。すると、そばにいた妹さんが、ネパールではだいたいみんな「ノ」を美しく書くのだと教えてくれた。

 せっかくここまで会いに来てくれたのだから観光でもしよう、と同期を連れて街へ繰り出した。道の真ん中を走る列車に乗り込むが、ひょっとしたら歩いたほうが速いのではないか、というほどのノロノロ運転である。何度か途中で降りて歩くことを提案するも、なんだかんだずっと列車に乗っていた。乗車中に日本の常識クイズに答える機会があったのだが、日本人である自分が知らない問題を同期が正解したため、これは恥ずかしいぞ、とひどく焦った。

 私のおすすめスポットであるアーケード街に着いた。列車から降りると、同期は何かを見つけたらしく、ひとりで歩きだした。後をつけていくと、たくさんのかざぐるまが挿してある場所へ着いた。さまざまな形のかざぐるまが、そよ風を受けてくるくると回っている。このアーケード街の中であれば、自由にこれらのかざぐるまを持ち歩くことができるらしい。

 お気に入りを1本ずつ選んで辺りをぶらつくことにした。途中の広場に満開の花を咲かせた大木が立っている。桜より少し大きなサーモンピンクの花びらをこれでもかというほど枝先につけ、風の吹くのにまかせてあたり一面に散らしている。同期は自分のスマホを私に渡し、写真を撮ってほしいと頼んできた。彼女は大木の下に立ち、持っていたかざぐるまで顔を隠した。白い柄の入った黒いワンピースが彼女によく似合っていて、これはインスタ映えだな、と思いながらレンズを向ける。スマホの画面に表示される映像も、肉眼で見るのに負けず劣らず綺麗なので、これは上手く撮らなければ、と変なプレッシャーを感じる。

 そのせいか、うまくカメラボタンが押せず、もたもたしているうちに手にバッタが飛び乗ってきた。驚いたはずみでスマホを地面に落としてしまった。拾い上げて再びレンズを彼女の方に向けるが、画面に表示されているのは陽だまりの中のぼやけた草原の映像で、どこにレンズを向けてもずっとその映像で固定されてしまっている。

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