夢日記

書き留めた夢を文章にして公開しています

210226 - 1

 私の通う学校では、朝から全校生徒の集会がある。集会中、教室の鍵閉めをするのは日直当番の仕事である。

 その日の当番は私であった。いつもはどうなのか知らないが、何人かの生徒が、なかなか教室から出てくれない。私が電気を消して催促しても、今出て行くから、と言いながら、出て行くそぶりを見せない。

 そうこうしているうちに、集会は終わってしまった。朝から嫌な気分になった。施錠を諦めて集会に行かなかったのは賢明な選択だった、と自分を励まし、荷物を取りに向かう。なぜ自分の荷物は教室に置いておかなかったのだろう、と思う。他人の荷物を守るために、一部の言うことを聞かない奴らのために、自分の荷物が犠牲になっても構わなかったのか。

 青いコートと黒のリュックサックは今朝私が置いたまま、そこにあった。安心して部屋を出ようとすると、担任の先生が入ってきた。どうやら次の時間はここで授業をするようだ。

 私はここ最近、自分の従来の性格を変えるべく、奮闘していた。辛いことや悲しいことがあっても、誰にも相談できず、抱え込んでしまうのだ。暗い気持ちは誰かに話すことで消えるのではないか、溜め込み続けると自分が壊れてしまうのではないか、そう思って、小さなところから変化を起こそうとしていた。

 今はまさにその時だと私は思った。今朝のことは大したことではないかもしれないが、塵も積もればなんとやら、だ。こんな塵は積もってもらっても不快なだけだ。臆病な私は勇気を出して口を開く。先生は授業の準備をしながら、丁寧に耳を傾けてくれる。

 いよいよ話が本題に差し掛かろうとすると、教室のドアが開き、生徒たちが入ってくる。もう授業開始の5分前なのだと、ようやく気付く。ついさっきまで私のためだけにここに居てくれた先生は、もうみんなのための先生になってしまった。次々と入ってくる生徒たちにおはようと声をかけていく先生。話を遮られて教室の後ろで狼狽える私は幾分惨めに映っただろう。まあ、そもそも誰も気にも留めてはいなかったが。